子どもと名建築を巡ってみよう(東京都心編)

子育て

皆さんは「建築」や「インテリア」に興味はありますか?
あるとしたらいつ頃からですか?
私は高校2年生になるまで全然興味がありませんでした。
建築やインテリアは完全に「背景」のようなもので、そこをまじまじと見て考えることなんて全くなかったのです。
そんな私が「背景」に興味を持つようになったきっかけは、”自分の部屋を与えられたこと”と、写真で見た”ある建物”に目を奪われたことです。

インテリアに興味を持ったきっかけは「初めての自分の部屋」

高校生の頃、引っ越しによって突如自分の部屋があてがわれました。高校生の私にとって、初めての自分の空間です。
初めは戸惑ってその空間を持て余す期間がありましたが、高校の図書館にあったインテリアに関する本を手に取り、豊富なインテリアスタイルの例などを見て

こんなに部屋ってバリエーションがあるものなのか!

・・とビックリしたものです。
その中の一つのスタイルを真似して自分の部屋を飾ってみると、とにかく楽しい。何時間も自分の部屋のレイアウト検討や飾りつけに時間を費やしました。
そこが私がインテリアに興味を持った原点です。

建築物に興味を持ったきっかけは、「10円玉の裏の鳳凰堂」

インテリアに興味を持った私でしたが、建物そのものに興味を広げることはありませんでした。
そんなある日、世界史のテストを少し余裕を持って終わった私は一緒に配られた日本史のテスト(世界史選択なので解かなくても良い)を興味本位でちらちら見ていました。
するとそこに素敵な建物の写真が!

高校生の私
高校生の私

ななな、なんだ、このかっこいい建物は!

そう思った私は、テストが終わった後に日本史選択の友人に「これ何?」と聞きに行きました。

友人
友人

平等院鳳凰堂だよ。十円玉の裏に描いてあるよ。

10円玉を確認すると、確かに鎮座しておりました。なぜこんな素敵なものに今まで気づかなかったのだ、私・・。

それが、「建物」に興味を持ったきっかけです。
高校までは九州で過ごしましたが、大学は関西だったので進学後真っ先に平等院鳳凰堂を見に行きました。その原体験があるからか、今でも近現代の建物よりも寺社仏閣の方が何倍も好きです。

子どもに「建物」を見る機会を

娘はそろそろ5歳に近づき、「どこどこに行きたい」を主張するようになりました。
もちろんその候補は公園がほとんど。しかし、大人側が公園に正直飽きており、違うところにしたいなあ・・という事も多くあります。

そこで、我が家では公園以外の選択肢として「東京にしかない建物を見に行く」を設けています。
いつもは目にすることが無いような建物を見たり、その中に入ったりすることは子どもにとってそれなりに楽しい経験のようで、割と嬉しそうについてきます。
現在はコロナ禍なのであまり実行できていないのですが・・。
これまでいくつかの建物を訪問したので、おすすめの場所を紹介します。

重要文化財 自由学園明日館

1921年(大正10年)アメリカの巨匠フランク・ロイド・ライトと弟子の遠藤新の設計により自由学園の校舎として建設。1997年に国の重要文化財の指定を受けています。

自由学園明日館 外観

現在は、結婚式や撮影利用、公開講座の場として活用されています。見学可能日には自由に館内を見ることができます。

自由学園明日館 ホールの窓

建物内にある、ホールの大きな窓です。外観でも存在感を放っていた部分になります。
こちらの窓は高価なステンドグラスを利用する代わりに木製の枠や桟を幾何学的に配置して費用を抑えたようです。色がつくよりも、むしろこのほうがカッコ良い・・!と思うのは私だけでしょうか?

食堂

食堂では喫茶があり、コーヒーと茶菓子をいただきました。娘はジュースをごくごく。
建具や窓の雰囲気と家具が調和していてとても素敵な空間です。家具も建築家のお二人が設計したそうです。娘は椅子がとても気に入り、座っては立ち・・座っては立ち・・と、どこのバイヤーや!というような動きをしていました。

外のホール前。大谷石がとても良い雰囲気です。緑色の窓枠とその前の植栽がかわいい!!
いつもは見ない雰囲気に、娘もここを気に入って何度も行っては帰りを繰り返していました。自分から「ここで写真撮って!」との声も。

毎月1回夜間見学も行っています。夜の雰囲気、すごく良さそう・・!!
次は夜に見学に来たいと思います。

重要文化財 自由学園 明日館       東京都豊島区西池袋2-31-3
重要文化財 自由学園 明日館
東京池袋にある重要文化財「明日館」のホームページ。建物のほか、催事情報などをご案内しております。
    ※見学の詳細につきましては、公式HPをご確認ください。

迎賓館 赤坂離宮

1909年(明治42年)東宮御所として誕生した日本で唯一のネオ・バロック様式の西洋宮殿です。
建設の総指揮は片山東熊。当時の欧米の最新技術や流行を取り入れつつ、和の意匠にもこだわり明治期を代表する建物となった・・とのことです。
現在は世界各国からの賓客をお迎えする外交の舞台として活用されています。
2009年、本館・正門・噴水などが国宝に指定されました。

迎賓館の前庭にて。

こちら、迎賓館の前庭から撮った写真です。この前庭と、下の写真にある噴水のある主庭は予約不要で見学可能です。前庭にはフードトラックが来ており、ちょっとした軽食が可能です。

主庭にある国宝の噴水。

私たちは予約して本館の見学にも行ってきました。(残念ながら撮影禁止なので写真はありません)
同じくネオ・バロック様式のパリ・旧オペラ座のような雰囲気なのかなあと予想して行ったのです。
オペラ座ってかなり豪華絢爛。金がキラキラというかギラギラ輝きまくっている(主観です)イメージなのですが、赤坂離宮はそういう雰囲気ではありませんでした。
白い壁を基調として装飾として随所に金を配置している内装。豪華で華やかなのだけど、やりすぎていない。そこが逆に魅力を感じる。そういう風に感じました。

娘は、今まで見た事もないような空間に最初は圧倒されていたものの、すぐに慣れて装飾品の細かいところに目を向けていました。「あそこにライオンがいる」「あの電気(照明のこと)かわいい」など。金で塗装されているドアノブに触りたがっていましたが、全力で阻止しました。

本館では5つほどの部屋を見学できるのですが、4〜5つ目からは流石に娘も飽きてきたようでした。4歳にはまだ早かったかなあ・・と思いましたが、自宅に帰ってきてから「あのおうち、綺麗だったね」という感想を言っていたので、まあよかったかなと思います。

なお、迎賓館赤坂離宮には谷口吉郎氏設計の「和風別館」もあります。ぜひ見たい!と思っていたのですが、こちらは小学生以下参観不可。娘が大きくなったらまた来ようと思います。

迎賓館赤坂離宮前休憩所にもぜひ!

赤坂離宮の正門前に休憩所ができています。地下にカフェも併設されており、とても良い雰囲気。赤坂離宮のお土産も買うことができて良いですよ。

カフェではケーキとお茶をいただきました
迎賓館 赤坂離宮      東京都港区元赤坂2丁目1番1号
迎賓館赤坂離宮 | 内閣府
迎賓館赤坂離宮公式ウェブサイト。国賓等の接遇の様子、国宝迎賓館赤坂離宮の建物や調度品のご紹介のほか、一般公開(見学・参観)の情報や見どころについてご紹介しています。また、一定の要件の下、有償で施設を貸し出す特別開館についてもご案内しています。
 ※見学の詳細につきましては、公式HPをご確認ください。

東洋文庫ミュージアム

2011年に建てられた東洋文庫ミュージアム。国宝や重文等の貴重な書籍の保存・研究機能を高めるとともに、その普及のためミュージアムやカフェを設けた建物です。

「東洋文庫」は、広くアジア全域の歴史と文化に関する東洋学の専門図書館ならびに研究所です。
約90年に及ぶ歴史を有するアジア最大の東洋学センターであり、国際的にも世界5指の1つに数えられているとのことです。

東洋文庫ミュージアム内 モリソン書庫

この写真は、ミュージアム内にある「モリソン書庫」。
1917年、東洋文庫の創設者、岩崎久彌氏が北京駐在のオーストラリア人のモリソン博士から東アジアに関する欧文の書籍・絵画・冊子等約2万4千点をまとめて購入したものを飾っています。天井まで伸びる本棚は圧巻!「世界で最も美しい本棚」と言われているそうです。

ここは、2021年6月現在放映中の仮面ライダーセイバーのエンディングで登場人物たちが踊っている場所としても知られています。娘はさぞかし喜ぶだろうと連れてきたのですが、実際に入ってみるとイマイチわからなかったようで、「え?ここに仮面ライダーいるの?いないよ?」と困惑した様子でした・・。

1階のオリエントホール

モリソン書庫にはこのオリエントホール左側にある階段を登っていきます。このホール、大きな吹き抜けでとても迫力があります。奥のカーテンを開けると、芝生が綺麗な中庭を望むことができます。
この雰囲気が気に入った娘、写真を撮ってとうるさかったのでパチリ。

カーテンを開けると中庭が。
併設のオリエント・カフェにもぜひ!

中庭の奥には、ミュージアム併設の「オリエント・カフェ」があります。
オリエント・カフェは、東洋文庫と小岩井農場が共同でプロデュースする洋風レストランです。

カフェへと走る娘

せっかくだからカフェでアイスを食べようか!というと、意気揚々と走って向かう娘。こちらのカフェ、いつも繁盛しているのです。なぜなら小岩井農場のランチやスイーツがとても美味しいから!東京で小岩井農場の味を楽しめるとはなんとも贅沢・・!
この日も人が多かったので写真を撮れなかったのですが、とにかくアイスがおいしかったです・・。娘も大満足で帰りました。ミュージアムの帰りにはぜひ寄って行って欲しいお店です。

東洋文庫ミュージアム  東京都文京区本駒込2-28-21
東洋文庫ミュージアム|公益財団法人 東洋文庫
東洋文庫ミュージアムでは、多くの方々に東洋学の面白さを知っていただくために、所蔵している本や地図、絵画を中心に展示を行っています。みなさまのお越しをおまちしております。
  ※見学の詳細につきましては、公式HPをご確認ください。

子どもと建築を巡る旅は続く・・

子どもと建築を巡ってみよう(東京都心編)はいかがでしたか?
子どもの歳にもよると思いますが、名建築に触れる機会というのはいい経験になるのではないかと信じております。今後も色々な場所で名建築を親子で楽しみたいと思います。

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